ロボットケーブル・FAケーブルの構造について

ロボットケーブル・FAケーブルの構造について

ロボットケーブル・FAケーブルの構造・選定とは

キャブタイヤケーブルの進化系とも呼べるロボットケーブル・FAケーブルは、キャブタイヤと同様、複数の導体をまとめて撚った多芯構造を持っています。複雑な動きやミリ単位の正確性を求められる場面での使用も多く、内部構造は複雑な動きへ対応するため、多芯化しています。
構造上、撚りや導体本数・絶縁体が重要な選定材料となります。

ロボットケーブル・FAケーブルの柔軟性・曲げ半径・繰り返しによる断線(ショート)への耐久性は、大きく分けて2つの構造要素で決まります。

ケーブル内導体の撚り
屈曲性能や耐ノイズ性に影響がある
導体を覆う絶縁体素材
導体を保護し、短絡(ショート)を防止する
可動性能の向上や電気性能の安定

ご利用の環境を元に、適した構造(撚り・絶縁体素材)を考慮することで、最適なケーブルを選定することができます。

言い換えるなら、もともと他のケーブルより
価格が高い傾向にあるロボットケーブルは

コスト削減・最適化ができる可能性が高い
=
使用状況と価格のバランスを新たにとること

といえるのです。

ロボットケーブル・FAケーブルの構造 導体・撚りについて

ロボットケーブル・FAケーブルは、撚り合わせる導体の芯線数によって、適した形状や性質が変わります。単芯〜40芯を超えるまで多様なバリエーションがあり、あらゆる動きや用途をカバーしています。
撚りには種類と方向があります。用途に合わせて、選定してください。

  1. 2芯線を撚り合わせたもの→対撚り
  2. 4芯線を撚り合わせたもの→カッド撚り
  3. 全体を撚った場合→集合撚り

撚り方向は右撚り(S)と左撚り(Z)があります。

種類 形状 特徴 真円度 可動性 価格
単線 単線イメージ画像 素線1本のみの導体 可動用途では使われない ×
集合撚り 集合撚りイメージ画像 複数本の素線を一括して撚り合わせたもの
最も汎用的な導体
同心撚り 同心撚りイメージ画像 1本の素線を中心とし、
その周囲に同心円上に撚り合わせたもの
複合撚り 複合撚りイメージ画像 1集合撚りしたものをもう一度撚り合わせたもの可動用、
柔軟用、太物の導体

素材(導体・撚り)の選定ポイント

ロボットケーブル・FAケーブルの構造 絶縁体とは

絶縁体の役割は、主に導体の保護です。
短絡(ショート)を防止することや、可動性能の向上、電気特性の安定と関係します。

絶縁体の素材により、ケーブル内部の性能が影響を受けますので、ケーブルの動きや布設場所に合わせた、必要な素材選びが重要です。
また、素材により価格に変化が大きいのも特徴です。フッ素を使ったケーブルは、全般的に優れた性能を発揮しますが、非常に高価です。

購入前に必要な性能を整理することで、価格で優位な特殊エラストマー素材に置き換えることが可能なこともあります。

ロボットケーブル・FAケーブルの構造 絶縁体選定のポイント

絶縁体を選定する上で重要な要素は

  1. 動く頻度
  2. ケーブルの内部温度

例えば『内部温度の変化はあまり大きくないが、特によく動く』という場合、使用するロボットケーブルが高価なフッ素樹脂素材から、コストダウンが可能な特殊エラストマー素材に置き換えできた事例もあります。

敷設環境の整理をすることで、最適なケーブルを見つけだせるケーブルだといえます。

絶縁材種別 加工性 電気特性 主要性能
可動性 柔軟性 難燃性 耐熱性 耐寒性 環境
ビニル 軟質PVC ×
SRPVC ×
XLPVC
ポリオレフィン HDPE × ×
XLPE ×
発泡PE × ×
PP ×
特殊エラストマー PEL ×
FRPEL
フッ素樹脂 ETFE
FEP
PFA

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