キャブタイヤケーブルについて
キャブタイヤケーブルの種類について
キャブタイヤケーブルの種別:素材による違い
キャブタイヤケーブルの素材は、大きくゴム系とビニル(ビニール)系に分けられますが、キャブタイヤケーブルは、素材の違いとグレード(クラス・種)によって、特徴が異なります。また、一般的に使われるキャブタイヤケーブルの略号も、この素材に応じて分けられています。
ゴム系キャブタイヤケーブルは、そのなかでもPNCT・CT・RNCTの3種類に分けられます。
また、ビニル系キャブタイヤケーブルはVCT・VCT−Fの2種類に分けられます。
その他に、地球環境に配慮するために、シース及び絶縁体の素材を環境対応型に改良したエコキャプタイヤケーブルがあります。
エコキャブタイヤケーブルは、"EM−" を電線名称の頭に付け、従来のケーブルと区別されます。
【ゴム系キャブタイヤケーブル】
2RNCT
3RNCT
絶縁体が天然ゴムで、シースがクロロプレンゴム(ネオプレン)のキャブタイヤケーブルはRNCTと表されます。
1CT
2CT
3CT
絶縁体・シース共に天然ゴムのキャプタイヤケーブルはCTと表されます。
2PNCT
3PNCT
絶縁体がEPゴム(エチレンプロピレン)でシースがクロロプレンゴム(ネオプレン)のキャブタイヤケーブルはPNCTと表されます。
ゴムキャブタイヤケーブルは、鉱山、工業、農業その他で用いられる屋内・屋外の
600V以下の移動用電気機器又は配線及びこれに類する用途に使用されます。
天然ゴム系のRNCTは耐候性・耐油性に劣るため、
現在は合成ゴム系であるPNCTに移行しています。
【エコキャブタイヤケーブル】
エコキャブタイヤケーブル
エコキャブタイヤケーブルには、ゴム系のエコキャブタイヤケーブルと、ビニル系に変えて樹脂系のエコキャブタイヤケーブルがあります。エコキャプタイヤケーブルは、通常のケーブルより地球環境に配慮するために、シース及び絶縁体の素材を環境対応型に改良したキャブタイヤケーブルです。
従来のキャブタイヤケーブルと比べて寸法・電気特性に変更はなく、同等レベルの諸特性を有しています。
◆EMーPPCT…従来品の2PNCT・3PNCT相当
◆EMーCT…従来品のVCT相当
◆EMーECTF…従来品のVCTF相当
キャブタイヤケーブルの種別について
キャブタイヤケーブルの種別
キャブタイヤケーブルの種別は、導体、絶縁体、シースの素材の違いによって分けられています。詳しくは、以下の表をご確認ください。
種別 | 略号 | 被覆材 | グレード | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
絶縁体 | シース | ||||||
ゴム系 | エチレンプロピレンゴム絶縁 クロロプレンシース |
2PNCT 3PNCT |
EPゴム (エチレンプロピレン) |
クロロプレンゴム (ネオプレン) |
2種〜3種 | ||
天然ゴム | 1CT 2CT 3CT |
天然ゴム | 天然ゴム | 1種〜3種 | |||
天然ゴム絶縁 クロロプレンシース |
2RNCT 3RNCT |
天然ゴム | クロロプレンゴム (ネオプレン) |
2種〜3種 | |||
ビニル系 | ビニル | VCT VCT-F |
ビニル | ビニル | − |
キャブタイヤケーブルの種別:グレード(クラス・種)について
キャブタイヤケーブルのグレード(クラス・種)によって、キャプタイヤケーブルの頑丈さが変わります。
1種のキャブタイヤケーブルは、天然ゴムキャブタイヤケーブルのみです。
2種のキャブタイヤケーブルが、最も使用されているキャブタイヤケーブルです。2種のキャプタイヤケーブルというと、2PNCTを指すことがほとんどです。
この1種と2種のグレードのキャブタイヤケーブルは、最も汎用的な低圧用のケーブルです。屋内、屋外で使用されます。
3種のキャブタイヤケーブルになると、シースの中間に補強層があるため、絶縁体およびシースが2種のキャブタイヤケーブルより厚くなります。そのため、耐衝撃性、耐磨耗性に優れていますが可とう性が悪くなります。主に、損傷を受ける恐れが高い場合に使用されます。
4種のキャブタイヤケーブルは、線心の間にクレードルコア(座床)が入るため、シースの厚さが3種よりも厚くなります。そのため、3種のキャプタイヤケーブルよりも更に耐衝撃性、耐摩耗性に優れています。炭鉱におけるコールカッタなどの、超過酷な状況に置かれる場合に使用されます。
グレード | 特長 | 用途 | 断面図 |
---|---|---|---|
1種 | 2種と同一構造で、天然ゴムキャブタイヤケーブルのみ。シース材料特性が低い。 2種へ統合化。 |
もっとも汎用的な低圧用ケーブル。 屋内、屋外で使用可能。 |
|
2種 | 可とう導体、絶縁体、シースから構造されるもっとも基本的構造のケーブルです。 シースに補強層がありません。 |
||
3種 | シースの中間層に補強層があり、絶縁体およびシースが2種より厚くなります。 そのため、耐衝撃性、耐磨耗性に優れています。シース中間の補強層には一般的には帆布が用いられますが、可とう性が必要な場合は帆布の代わりに埋め込み編組を用いることがあります。 |
損傷を受ける恐れが多い場合に使用されます。 防爆器具等の給電用等 |
|
4種 | 線心の間にクレードルコア(座床)が入りシース厚さも3種よりも厚くなります。そのため、3種より更に耐衝撃性、耐摩耗性に優れています。 | 炭鉱におけるコールカッタなどの超過酷な用途に使用されます。 |
キャブタイヤケーブルのご購入をお考えの方へ
キャブタイヤケーブルの重量について
運搬の際や、施工される際などにキャブタイヤケーブルの重さを考える必要があります。必要な長さをお知らせいただければ、キャブタイヤケーブルの重量をお伝えいたします。
重量によってはドラム巻きでの納入になります。ドラムを使用すると転がせるので運びやすい、巻きながら使用可能などの利点があります。
キャブタイヤケーブルの許容電流について
キャブタイヤケーブルには用途や使用場所・種類に応じて、許容電流を考慮する必要があります。
電流容量を超えた電流を流すことはできません。耐用年数が短くなるだけでなく、絶縁破壊となり、大事故に繋がる可能性があります。
ご購入の際は、お客様に最適な電流容量のあらゆる条件・タイプに合わせたキャブタイヤケーブルを選定いたします!
ご不明の方は、橋本興産へお問い合わせ下さい。
許容電流ついて、詳しくはキャブタイヤケーブル 許容電流についてをご覧下さい。
直接お問い合わせも受け付けております。お気軽にご相談ください。
キャブタイヤケーブルの構造・仕様について
キャブタイヤケーブルの構造
キャブタイヤケーブルの構造は、導体とその周りを包む絶縁体、さらにその周りを包むシースによって成り立っています。キャブタイヤケーブルを構成している素材や心数が変わることによって、許容電流が変わります。
キャブタイヤケーブルを構成している素材に応じて、ケーブルの柔らかさや強さが変わりますので、使用する用途も変わります。
- 導体とは
- 電気が通る金属部分
- 絶縁体とは
- 導体を被覆・保護し電気を遮断する部分
- シースとは
- 最も外側の被覆絶縁体を更に保護する物体
キャブタイヤケーブルの構造:心数による違い
キャブタイヤケーブルには、シングルタイプと多心タイプがあります。
●シングルタイプ・・・1心のキャブタイヤケーブル
●多心タイプ・・・2心以上のキャブタイヤケーブル
100SQ以上のシングルタイプは多心タイプより軽量のため、2心のケーブルを1本使うよりシングルタイプを2本使うほうが1本ずつの重量が軽量で作業しやすく、許容電流が大きくなります。
SQサイズが小さくて重量が気にならない場合は、多心タイプを使うことで作業を短縮することができます。
キャブタイヤケーブルの仕様はこの許容電流や構造、許容曲げ半径によって決定します。
どのタイプのキャブタイヤケーブルが適しているかわからない方は、お気軽にお問い合わせください。