ロボットケーブル・FAケーブルの耐性

ロボットケーブル・FAケーブルの耐性とは

ケーブルは、導体・絶縁体の外側を、シース・ジャケットで覆っています。
外的ストレス(紫外線や油など)は状況によって違います。耐性を持たせたい場合は、ケーブルの外側を覆うシース・ジャケットの材質を考慮する必要があります。

すべての外的ストレスに耐性がある万能の素材はありません。
外的ストレスの特性を整理し、用途に適した素材を選定することが大切です。
また、耐ノイズ性能・伝送性能の安定化を考えるとき、注目するのはシールドになります。ノイズの種類によって、シールドの効果が変わる場合があります。布設環境からシールド材質を見極めましょう。

シース・ジャケットの耐性について

シースやジャケットは、ケーブルを外的ストレスから守る役割です。PVC材を使用したものが多いのですが、環境に合わせた素材を選ぶことで、耐性を持たせることが出来ます。
ただし、すべての外的ストレスに対して耐性を持つシースというものはありません。状況に合わせ、違いを理解し、以下のように選択をすることが重要となります。必要な状況によって使用素材の特質が変わってきます。

可動性や耐摩耗が求められる場合→材料物性が高い素材

人間の手で取り回す器具とつながっている場合柔軟さや捻りへの強さのある素材

エコケーブルを使用したい場合→白化や、柔軟性があまりなく硬い素材

  1. シース材の硬さもケーブル全体の柔軟性に影響
  2. 油及び医薬品への耐性が欲しい場合は、実際に利用している状況・薬品からグレード・種類を評価する

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外的ストレス 布設環境 シース材料性能
高温雰囲気、高温機器 耐熱性
摩耗 可動配線、ケーブルベア内配線 耐摩耗性
紫外線 屋外配線 耐候性
切削機、工作機 耐油性
薬品 塗装工程、医療機器、食品機械 耐薬品性、耐溶剤性
燃焼 全ての電気、電子機器 難燃~高難燃
シース種別 難燃性 耐熱性 ℃ 耐摩耗性 耐候性処方 耐油性処方 柔軟性
耐熱/耐油PVC 〜105
耐熱/耐油/耐候PVC 80
難燃ポリエチレン 80 × ×
耐熱/耐油/柔軟PVC 105
耐熱/耐油/耐候PVC 105
耐熱/耐油/高難燃PVC 105
難燃ウレタン 80

シールドによるノイズ対策について

ノイズ対策には、シールドありのケーブルが有効です。

ノイズ発生の代表的な事例は
3点になります

  1. 静電結界による誘導ノイズ
  2. 電磁界による放射ノイズ
  3. 複合要因に起因する電動ノイズ

シールドはノイズからケーブルを守る鎧と言えますが、特定のノイズに効果の薄いシールドもあるため、布設環境とシールド素材の見極めが必要となります。
ロボットを制御する為に繊細な動きを必要とされるロボットケーブルには、ノイズをしっかり防ぐことが出来るように、使用する環境や干渉するかもしれない機器の前提条件を整理し、ケーブルを選択しましょう。環境によっては、シールド無しタイプのロボットケーブルを使用することも、コスト削減に役立つ選択となります。

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